「マリグナント 狂暴な悪夢(原題:Malignant)」ネタバレ有り感想
「マリグナント 狂暴な悪夢(原題:Malignant)」を映画館で観てきたので、ブログ初投稿はこのマリグナントのネタバレ有りの感想を書いていきたいと思います。
マリグナントは、2021年公開の「ソウ」シリーズや「死霊館」シリーズのジェームズ・ワン監督作品で、ホラー映画ファンならお馴染みの方だと思う。
マリグナントのジャンルはもちろんホラーで、18歳以上未満禁止映画。
原題にもなっている“Malignant”の意味は、悪意に満ちた~、悪性の腫瘍などの意味がある。
もう最初から結論を書くと、マリグナントという映画は、よくぞこの時代に新しいホラーキャラクターを生み出せたなと舌を巻いてしまうほどに面白かった。
簡単な物語を書かせてもらうと、DV夫との間にできたお腹の子を何度も流産してしまっていたマディソンは、かつて養女として育った経験もあってか誰かとの血の繋がりを強く望む薄幸な女性だった。
そんなある日、DV夫との口喧嘩が発端となり、彼に頭を壁に叩き付けられてしまう。
我に返る旦那が急いで氷を持ってこようと部屋を後にしたその隙に部屋の鍵を閉めて立て籠るマディソン。
その日からだった。マディソンは、謎の殺人鬼が次々に人を襲い、そして殺害していく悪夢に悩まされるようになる。しかもそれは現実でも起こっている惨劇だったのだ。
マディソンはリアルで、まるで幻覚かのような凄惨な殺人現場を疑似体験し、少しずつ自身の隠された過去に導かれていくことになっていく。
というのが大まかなマリグナントのストーリー。ホラー映画でありながら、殺人鬼は一体何者なのかというサスペンス的要素も含まれ、殺人鬼は超人的かつ俊敏でいて不気味な動きでどんどん人々を手に掛けていきます。
やがて、その殺害された人々に共通点がある事が発覚し、殺人鬼の正体が発覚するまでがこの手の映画ではお馴染みかもしれないが多少のマンネリ感を人によっては抱くと思う。
しかし、その殺人鬼のキャラクターはこれまでにない真新しさ溢れるテイストになっているのだから、その正体が判明してからの怒涛の展開は、誰もが楽しめる筈だ。
殺人鬼の正体はガブリエル。マディソンの実の兄なのだが、事情が少し特殊で、マリグナントでは寄生性双生児と呼ばれるマディソンに寄生する形で彼女の体内に潜み、生き長らえていた化け物。
電気を吸収し、電波を使ってラジオやスマホから言葉を発する超常的な能力を有するガブリエルは、マディソンと脳を共有し、マディソンの肉体を操る事で殺人を犯してきたのだった。
そして、ガブリエルが凶行に及んだ背景には、マディソンのDV夫が彼女の頭を強く壁に叩き付けた事が発端として挙げられる。
ガブリエルは、マディソンの背中から後頭部にかけて寄生する形で視覚や思考を何らかの形で彼女と共有してきた。そのため、ガブリエルが顕著している間はマディソンの真相意識は眠らされ、ガブリエルの犯行の記憶をマディソンは共有していたのだ。
このガブリエルは、三十年前にある病院で悪性腫瘍としてマディソンの身体から不要な部分は摘出され、しかし彼女の脳と繋がっているガブリエルの全てを取り除くのは困難を極めたために、ガブリエルの一部はマディソンの頭蓋骨の下へと埋め込まれ、封印されたのだった。それが、DV夫の暴行のショックで目覚めたのである。
マディソンとガブリエルは、レイプによって産まれた子供だった。彼らの実の母親も、寄生性双生児の彼らをどうする事もできずに泣く泣く研究施設でもある病院へ託したのだ。
マリグナントという映画は、そのタイトルの通りに悪意に満ちた人間達の行いが、凄惨な事件の引き金になっていると思う。
そして、マディソンは最終的に自分の中の悪意とも言えるガブリエルと向き合い、彼に負けない心で、ガブリエルを今度こそ意識して精神の奥底に捕える事に成功するのだが、その際に必ずまた出てきてやると脅すガブリエルに対して、マディソンはその時のための準備をする、と毅然とした態度で返します。
これは、ガブリエルというモンスターを人間の心に誰しもがある悪意として受け取ると、それとどう向き合うのか。そういう見方もできるのではないかと記事を書いていて思いました。
その悪意に気付いた時、必要なのは果たして一体何なのか。
そう考えると、マリグナントもただのエンターテイメント性の高いだけのホラー映画ではなく見えてくるような、そうでもないような。
これは、あくまでもこの記事を書いているバトエンの考察ともいえない感想なので、そこはご了承下さいませ。
今回は、初のブログ記事投稿の「マリグナント 狂暴な悪夢(原題:Malignant)」のネタバレ有りの感想でした。